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インプラント治療の
難しいケースについて

どんな場合が難症例?

難しいケース

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されることで機能する治療法ですが、骨の量や質が不足していると治療が難しくなることがあります。しかし、適切な処置を行うことで、多くの場合インプラント治療が可能になります。以下に、骨の状態ごとの対応方法を説明します。

骨の厚みや高さが足りない場合
目的

顎の骨が薄かったり低かったりすると、インプラントを埋め込むための十分なスペースが確保できず、固定が難しくなります。

対応策

「骨造成(GBR)」を行う

骨が不足している部分に人工骨や自家骨を移植し、骨の再生を促す処置を行います。この方法では、骨が形成されるまで数か月から半年ほど待つ必要がありますが、その後インプラントを安全に埋め込むことが可能になります。

上顎の骨が薄く、上顎洞が近い場合

上顎の奥歯部分は、骨の厚みが薄く、そのすぐ上に「上顎洞(副鼻腔)」という空洞があるため、通常のインプラントが埋め込みにくいことがあります。

対応策

「サイナスリフト」または「ソケットリフト」を行う

  1. サイナスリフト上顎洞の粘膜を持ち上げ、その下に人工骨を移植し、骨の厚みを増やす方法
  2. ソケットリフトインプラントを埋める穴から骨を押し上げて、骨の高さを確保する方法(サイナスリフトより侵襲が少ない

どちらの方法も、骨の厚みを増やしてからインプラントを埋め込むため、より確実な固定が可能になります。

骨の密度が低く、スカスカしている場合

骨の質が柔らかく、インプラントを埋め込んでもしっかり固定されない場合、通常の方法では長持ちしにくくなります。

対応策

「短いインプラント」や「太いインプラント」を使用する

骨密度が低い場合、通常より短めのインプラントを使用することで、骨の強度が低くても安定しやすくなります。また、太めのインプラントを選択することで、より広い面積で固定し、長期的な安定性を確保する方法もあります。

下顎の神経に近い場合

下顎には「下歯槽神経」という大切な神経が通っており、インプラントが神経に近すぎると、痛みやしびれを引き起こすリスクがあります。

対応策

「ショートインプラント」を使用する

短いインプラントを使用することで、神経に触れるリスクを回避しながら、安全にインプラントを固定することが可能です。また、骨移植を行い、神経を避けるスペースを確保する方法もあります。

まとめ

インプラントが難しくなるケースでも、適切な治療を行えば、多くの場合インプラントは可能になります。

  • 骨が薄い・低い場合 → 骨造成(GBR)
  • 上顎洞が近い場合 → サイナスリフト / ソケットリフト
  • 骨密度が低い場合 → 短い・太いインプラントの使用
  • 神経に近い場合 → ショートインプラントの使用

インプラントが可能かどうかは、CT検査などで骨の状態をしっかり確認することが大切です。適切な治療計画を立てることで、難しいケースでも安全にインプラントを行うことができます。

生活習慣・持病が原因でインプラントが難しくなるケース

喫煙者
  • タバコは血流を悪くし、骨とインプラントの結合を妨げる
  • インプラント周囲炎のリスクが非喫煙者の約2~3倍
解決策

禁煙する(最低でも手術前後1か月は禁煙)

糖尿病
  • 免疫力が低下し、傷の治りが遅くなる → インプラントが定着しにくい
  • 重度の場合、インプラント周囲炎になりやすく、失敗リスクが高まる
解決策

血糖値をしっかり管理し、数値が安定していればインプラント可能

骨粗しょう症
  • 骨密度が低下すると、インプラントを支える力が弱くなる
  • ビスフォスフォネート系の薬(骨粗しょう症の治療薬)を服用していると、骨がもろくなり、手術後の骨の回復が遅れるリスクがある
解決策

医師と相談し、骨粗しょう症の治療と調整しながらインプラント治療を進める

強い歯ぎしり・食いしばりがあるケース
  • 過度な力がかかると、インプラントが破損・脱落するリスクがある
  • 歯ぎしり・食いしばりが強いと、インプラントに過剰な負担がかかり、骨と結合しにくくなったり、インプラントが割れる原因になる
解決策
  • ナイトガード(マウスピース)を装着することで負担を軽減
  • 噛み合わせを慎重に調整する

全身の健康状態が原因でインプラントが難しくなるケース

重度の心疾患・高血圧
  • 手術時のリスクが高まる(血圧上昇・心臓発作のリスク)
  • 抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を服用していると、手術時の出血が増える可能性
解決策

事前に医科の主治医と相談し、安全な治療計画を立てる

放射線治療(口腔・顎周辺)を受けたことがある
  • 放射線治療の影響で骨の血流が低下し、インプラントが定着しにくい
解決策

治療歴や骨の状態を歯科医師としっかり相談する

成長期の子ども

顎の成長がまだ終わっていない段階でインプラントを埋入すると、将来的にインプラントの位置がずれてしまう可能性があります。インプラントは顎の骨と結合して固定されるため、天然の歯のように成長に合わせて動くことができません。
そのため、成長途中に埋入してしまうと、周囲の歯との位置関係がずれ、不調和が生じるリスクがあるのです。

解決策

成長が完了する18歳以降に治療を検討する

インプラントが難しいケースのまとめ

ケース 問題点 解決策
顎の骨が不足 骨が薄い・高さが足りない 骨造成・サイナスリフト
歯周病が重度 骨が溶け、インプラントが定着しにくい 先に歯周病治療を行う
喫煙者 骨とインプラントの結合を妨げる 禁煙
糖尿病 傷の治りが遅く、感染リスクが高い 血糖値をコントロール
骨粗しょう症 骨密度低下でインプラントが安定しにくい 医師と相談しながら治療
歯ぎしり・食いしばり 過剰な力でインプラントが破損 ナイトガード装着・噛み合わせ調整
心疾患・高血圧 手術リスクが高い 医科の主治医と相談
放射線治療歴あり 骨の血流が低下し、インプラントが定着しにくい 骨の状態を慎重に判断
成長期の子ども 顎が成長すると位置がズレる 成長が完了してから治療

※上記の表のケースは、症例によって異なる場合がございます。

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